ここまでお読みいただきまして、ありがとうごさいました。
これで「いつか太陽に落ちてゆく日々」は完結です。

以前に「天上の」というタイトルの長編を書いた時よりも、ずっと長くなってしまいました。
開始はどうやら4月だったようなので、なんとか一年かからず終わったようですが…それにしても長い…。

もともとこの話は、三成と幸村の特殊会話でアワアワしたっていうのと、どのEDを見ても元の世界に戻れていないっぽいのが気になってはじめたものでした。今となっては実際戻れてなかったわけですが(笑)

そしてさらに、作中での慶次の台詞、

慶次「あんた…遠呂智の業まで計りに来たのかい?」
慶次「強烈な力の底、自分に違和感を覚え、苦しむ男のさ」
信長「クク…遠呂智にうぬ自身の姿を見たか、慶次?」

というのが強烈に気になってしまったり、政宗がずいぶん遠呂智びいきだったり、そういったことの積み重ねで、あれもこれも、と書いていったらこうなった…というか…。

実際書き始めに決まっていたのは、EDが関が原、ということだけでした。
途中、方向を見失いかけたり、回収できるかわからない伏線に苦しんでみたりしましたが、なんとか…無事に終わってよかったです。

遠呂智のつくった世界は、一体どういう世界なのか?とかを考えると、ぐるぐるしはじめて止まりません。全ての人が、同じ時間軸に生きている、というのはなかなかすごいことですよね。もちろん三国と戦国のことを考えれば当然なのですけれども、それ以外にも、たとえば豊臣姓の秀吉がいることに、明智は何か感じたりしないのかしら?とか…。深く考え出すときりがありません。

他にも、阿国が遠呂智に対して言う台詞「根の国にかえりまひょ」とか…。
台詞の端々に、いろんな萌えがつまっているのがあのゲームの世界なのだわーと思います。

また、遠呂智が蛇だと考えたりすると、ウロボロスや地上で一番知恵のある動物、だとか、そういった単語がヒットしたり。
それがさらに深いことを考えさせられる萌えポイントでもございました。

今回は、三幸ということで、そこを軸に話を展開させましたが、たとえばこれで徳川方でも同じことが起こっていたらどうなるのかな、とか考えたりしたのですが。もともと遠呂智の創った世界が多重世界っぽいことを考えると、万が一戻った世界が今までと同じ世界かどうかはわからないのかも、と。

そんなわけで、多重世界の中で、たとえば三成や幸村や、兼続が望むような西軍の勝利があった世界があったり、史実通り徳川の世の世界があったり、もしくは光秀が望むような信長のつくった世界があったり、謙信が望む信玄の王道の世界があったり…。
三国であれば、呂布と貂蝉が静か暮らす世界があったり、関羽が壮絶な死を遂げない世界があったり、孫策や孫堅があっさり死ぬことのない世界があったり…と。あらゆる多重世界が存在したっていいのではないかな、と思います。

壊れたものは元には戻らないともいいますし。戻った世界が自分に都合のいい世界であったとしても、そしてそれで一喜一憂することがあったとしても、それを選ぶかどうかはその人たち次第で、三成たちが選んだ世界はあの世界だった、という…そういうつもりで書いていました。

続編でどんな風になるかわかりませんが、こんな風に考えていました、ということで、楽しんでいただけたのならば幸いです。


何はともあれ、ここまでお読みいただいた全ての方に感謝。
また書き始めた際には、おつきあいいただけますと嬉しいです。

そしてこちらの話は同人誌でweb再録しております。
素敵な絵は「斬切舞」の桃衣さまにお願いをいたしました。
何度言っても足りないくらいありがたいです。

それでは本当に、ここまでお読みいただきましてありがとうございました!!

ちなみに英文は、イェーツの詩集から引用いたしました。…というか映画リベリオンというか(笑)

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左近と断金の話「灰の言葉
馬超とホウ徳の話「曙光