一度目の絶望は赤い色をしていた。

「へぇ、そりゃあいい。ところで兄さん、最近都の中心で何があったか、知ってるかい?」

「い、いや…俺、は、知らない…」

「いてもたってもいられぬのだ!このまま、一族の無念を晴らさぬままここにいて良いとは到底思えん!俺の中の血が、煮えたぎって訴えるのだ!一族の無念を晴らせ、曹操を殺せ!と!」

(…俺、勝てないって思ってるんだな)

「 境 界 層 の ス ペ ル バ ウ ン ド 」
A5/P60/馬超×馬岱/500円/web再録あり


猛将伝の馬超ステージでの馬岱の含んだものの言い方が気になって仕方なかったのと、ナレーションで「美しき錦を捨てた馬超が」って言われているのを聞いて、馬岱はそれでよかったのかな、と思ったところから始まった、許昌での馬一族誅殺→蜀で仲間になる直前までの話です。
全体的にものすごく煮詰まっております。わりとモブ多め。
一応ハッピーエンドではありますが。

それとサイトに載せている「夢について問う」を再録しています。

素敵表紙はくずもさんに描いてもらいました。ありがとうございましたー!

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「氷室えり」で検索すれば出てくると思います。