「…それは、幸村殿以外誰もいない世界?」
「…私の勘違いかもしれないけれど…。その感情は、大切にして」
「…夷陵でのことを、お聞きしたいのです」
「…手に入らぬものを欲しいと思うのは、俺はおかしな話ではないと思うぞ」

「きみはそれを盾にして、本当は何にこだわってるの」

「それ以上はきみの望みにこたえられない」

 そうやって、考えれば考えるほど、幸村の中ではどうすべきか、という声がざわざわと、己の中を騒がせる。
そしてやはり、無の世界を望みたくなる。
迷いなくひとつの道を決めて駆け抜ける。
そういう、生を――…。

「 イ ノ セ ン ト ・ カ ー マ イ ン の 欠 落 」 
A5/P60/無双OROCHI2/幸村×馬岱/500円

夷陵で馬岱たちが死んだのは自分のせいではないか、と気がついて、それが真実かどうかを知りたい幸村。
手合わせをすればわかるかもしれないと思うが馬岱はその望みをいつもかわしてしまう。
幸村が望むもの、何をどうしたいと考えているか、それにひたすら焦点をあてた、幸村メインのお話です。

※注意※
今回の本は幸村攻めです。普段の様子やら何やらは普段の私が書く幸村となにも変わっていませんが、攻めですのでご注意ください。

素敵表紙は藤井くずもさんに描いていただきました!

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